人間が生まれつき持っている不安は、大きい音と、高い所に対する恐怖心だけだと言われています。
私たちは、生きてきた中で、どれほどの後天的な不安や恐怖を身につけてしまったか、考えると嫌になります。
ただ、先天的な不安は一生消えずとも、後天的な不安は、きっと何かしらの理由があって生じたのだから、改善の余地はあると希望を持っています。
私の考えですが、生命を守るために存在する、脳内の不安回路が、過剰に活性化してしまっている状態が、強迫性障害であると思います。
命を守るための不安回路が、逆に、死にたくなるほど辛い強迫となってしまうことは、本末転倒です。気づいていないかも知れませんが、強迫の私たちは、生命力が強過ぎるのです。だからこそ、異常なほど安心を求め、自分の命が脅かされないようにしてしまうのです。
そんなに確認しないでも死にやしないよ、と言われても、そんなことは百もわかっていますよね。
強迫は、単なる脳の誤作動です。ちょっとした工夫と、ささやかな努力で、必ず良くなります。話すと長くなるので、気が向きましたら、私の本をお読みください(宣伝ではないです)。
死にたくなるほど強迫が酷い時には、脳の生命維持機能が過剰に働いているために辛くなっていること、ということは自分には生きようとする力が確実に存在していることを、どうか忘れないでください。