終わらない強迫

強迫行為が終わったかと思いきや、まだ終わっていないぞ、本当にスッキリしたのか? と強迫から言われ、さらに強迫行為を続けてしまうことがあります。

同様に、身動きが取れなくなるほどの、ぐるぐる思考に陥った時、自分で出した終了サインに対し、強迫が、もうちょっと考えてみなよ、きっともっと安心できるよ、と囁いてくることもしばしばです。

そういった強迫の声に従うと、終わらせることができなくなります。難しいですが、ご自分で終わりと思ったら、強迫の声よりもご自分を信じて、そこで終わらせる、その小さな抵抗の積み重ねが大切だと感じます。しかし、できない時もあって当然です。むしろ、強迫に抗えないのが普通です。

自分で終わらせたはずのことを、さらに終わらせようとすることには、無理があります。何故、終わらないかといえば、それは既に終わっているからです。命尽きた死体を殺そうとしているようなものです。

強迫行為やぐるぐる思考をしてしまっても、構いません。ただ、前回申しましたように、脳にまるで寄生しているような、強迫の言うことだけでなく、心の声も同時に聞いてあげてください。強迫に従ってしまっても、「本当はやりたくない」という、本来のご自分の心の叫びを受け止めてあげてください。

強迫行為はしてしまっても全く構いません。ただ、脳と心の間の葛藤に振り回されずに、心は嫌だと感じているけれど、脳からの指令に従わないと、気持ちが悪くなるため、心に反し、仕方なく脳の言うことを聞いているご自分がいる、ということを、冷静に客観視する習慣を少しずつ身につけていくようにしてください。

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